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台風に備えるBCP見直しポイントや事前対策の事例

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7月から10月にかけては、台風の発生が非常に多くなる時期です。台風接近により、出勤困難による人員不足や建物への被害、ライフライン停止など、事業継続を脅かすリスクが発生する可能性が高まります。

ここでは台風シーズンの到来前に実施しておきたい台風対策マニュアルの見直し方法やポイントなどを解説します。台風に備えるための具体的な事前対策などもご紹介しているので、企業の事業継続力強化にお役立てください。

近年の台風の傾向

気象庁によれば、1991~2020年の20年間で約25個の台風の発生が報告されています。このうち約12個が日本に急接近し、約3個が上陸している状況です。台風の発生から接近、上陸は7~10月にかけて多くなることがわかっており、特に9月以降は秋雨前線の影響による大雨が発生する可能性が高いといわれています。

さらに近年の傾向としては、2026年8月は例年より多くの台風が接近すると予想されており、十分な注意が必要です。また、万が一エルニーニョ現象(太平洋赤道域の海面水温が平年より高くなる現象)へ移行した場合は、9月以降にも発生した台風が接近する可能性が高まるといわれています。

台風による被害事例

台風が日本へ接近したり、上陸したりすると、大きな被害を及ぼします。企業に生じる被害について、以下に一例を紹介します。

  • 通勤不可による人員不足
  • 強風による飛来物で死者や負傷者が発生
  • 公共交通機関が機能を失うことによる帰宅困難者発生
  • 大雨の発生による土砂災害などの被害
  • 停電や通信障害による業務停止
  • 建物の浸水や暴風による窓ガラスの破損、オフィス内への被害
  • 大雨による設備や機器の浸水、損壊
  • 重要な書類やデータの損壊、消失
  • 取引先が被害を受けることによる調達リスク・事業停止リスクなどの発生
  • 物流寸断によるサプライチェーンへの被害

これらの被害により、自社にとって重要な業務が中断するリスクがあります。台風シーズン到来前に、これらの被害を想定したマニュアルの作成や見直しを行うことが事業継続力の強化につながります。

台風に備えて!台風対策マニュアルの見直しポイント

BCPはさまざまな災害や緊急事態が発生した際に、被害を最小限に抑えつつ、自社にとって重要な事業を継続または早期復旧させるための具体的な対応手順・体制をまとめた計画のことです。そのため台風など個別の対策を強化するには、インシデントごとのマニュアルの作成と見直しが必要となります。

見直しをする際は、まずは再度ハザードマップを確認したうえで、事前の対策や初動対応を検討し直しましょう。実際に台風を想定した訓練を実施し、マニュアルで定めた手順や対応が適切か確認するのもおすすめです。訓練後は課題の抽出、見直し、改善を必ず実施し、来る台風シーズンに備えましょう。

また、台風発生時は従業員が出社できない可能性も高まります。リモートワークを想定した災害対応の確認も行ってください。

見直し用チェックリスト

台風対策マニュアルを見直すためのチェックリストを以下にまとめました。

  • 最新のハザードマップを確認したか
  • 出退勤の判断や行動基準などが明確化されているか
  • 安否確認方法の確立・周知をしているか
  • 通信断絶時における代替の連絡手段を確保・周知しているか
  • BCPの発動基準が明確に設定されているか
  • 連絡先リストは最新の状態になっているか
  • 非常用電源など、ライフライン停止に備えた対策を実施しているか
  • リモートワークへの切り替え体制を整備しているか

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台風に備えた事前対策の事例

台風対策マニュアルに盛り込みたい、台風に備えるための事前対策事例を詳しく紹介します。

①備蓄品の準備

台風時に公共交通機関が機能を失うことにより帰宅困難者が発生する可能性があります。帰宅困難者が発生する場合に備え、必要な備蓄品を準備しておきましょう。以下で備蓄品の事例を紹介します。

  • 飲料水(1人あたり計9L以上)
  • 非常食(1人あたり計9食以上)
  • 毛布(1人1枚ずつ)
  • 簡易トイレやトイレットペーパー
  • 懐中電灯やラジオ
  • 手回し充電器や乾電池など
  • 救急用品
  • カセットコンロ
  • 給水用のポリタンク
  • 軍手
  • ビニール袋
  • ヘルメット

台風時の大雨により建物の浸水が発生する可能性があるため、備蓄品は高い場所に保管したり、複数個所に分けたりなど工夫する必要があります。

②浸水対策

大雨が発生した場合に備え、浸水対策の準備も必要です。建物や設備が浸水してしまえば、膨大な修理費が発生したり、事業が中断したりなどのリスクがあります。自社の重要な経営資源が浸水しないよう土のうや止水板などの浸水対策アイテムを事前に準備しておきましょう。避難時に時間の余裕がある場合は、これらを設置していくことで、被害を最小限に抑えられます。

また、重要な書類や機材などを高い場所へ移動するなどの工夫も凝らしましょう。

③強風への対策

強風の発生により看板や物が飛んできて、建物の窓ガラスが割れる危険性があります。オフィス内の安全を守るため、窓ガラスの飛散防止対策を実施しましょう。

具体的には、窓ガラスに養生テープや飛散防止フィルムを貼るなどの方法があります。台風発生時にはこれらの対策に加え、ブラインドやカーテンを必ず閉め、窓ガラスの飛散を防止しましょう。

④データのバックアップ

台風による大雨で建物やシステムが浸水した場合、大事なデータを失うリスクがあります。必ず重要なデータはバックアップをとりましょう。

データをバックアップする際は、複数のデータを作成する、保管場所を分散させるなどの対策が有効です。本社のデータを支社に保管するなど、遠隔地での管理も災害リスクの分散に貢献します。また、“1つのデータは自社サーバに、2つ目は外付けHDDに”、と保存する媒体を分ける方法もおすすめです。

⑤情報収集・伝達方法の確立

台風の発生や接近はある程度予測が可能なため、事前の情報収集が鍵を握ります。情報の収集方法や周囲への伝達方法を確立しておきましょう。台風の情報収集に役立つサイトは次の章で紹介しているため、参考にしてください。

また、台風発生の影響で停電や通信障害が起こり、システムやネットワークが使えない可能性もあります。あらかじめ非常用電源や通信障害時のバックアップ回線を用意しておくと安心です。

台風発生に関して確認したい情報と役立つサイト

参考になるのは気象庁のホームページです。たとえば「台風情報」サイトでは、当日から5日先までの台風の経路や、暴風域に入る確率、地域ごとの注意事項などが確認できます。そのほか、「線状降水帯予測マップ」や「早期注意情報(警報級の可能性)」などの情報も、台風の被害予測の参考になります。

また、令和8年5月末より新しい防災気象情報が運用されています。各警報や注意報とともに警戒レベルが表示され、より避難の判断がしやすくなりました。レベル3以上の防災気象情報が発表された際は、大雨や洪水による災害の危険度をマップ上で確認できる「キキクル(危険度分布)」や、河川の水位情報などが確認できる国土交通省の「川の防災情報」を早急に確認するようにしましょう。

台風発生時の初動対応

台風発生時の主な初動対応の一例を手順ごとにまとめました。

情報を収集して影響確認気象庁の「台風情報」「キキクル(危険度分布)」などのサイトを確認し、自社や取引先への影響を確認する。
浸水対策や防災セットの準備を警戒情報が出た段階で、現場や従業員を守るための対策を講じる。たとえば浸水対策として止水板をセットしたり、窓ガラスの飛散防止対策を実施したりなど。帰宅困難者が出た場合に備え、備蓄や防災セットの置き場所を改めて全従業員に知らせることも重要。
出社判断などの意思決定①の情報をもとに出社可否の判断や、就業してから天気が急変した場合に早期帰宅の指示を行う。出社可否の判断は、前日であれば18時、当日であれば6時までに従業員に連絡を行うなど、ルール化が重要。場合によっては在宅勤務への切り替えも。
避難指示など社員の安全確保・安否確認台風が直撃し、避難が必要な場合は従業員へ避難指示を行い、安全の確保を促す。被害状況を確認するため、社員の安否確認情報も収集すること。

台風シーズン前にマニュアルや事前対策の見直しを

台風発生時の被害を最小限に抑えるには、シーズンが到来する前に、マニュアルや事前対策を見直し、対策を強化しておくことが必要です。台風シーズン前は毎年マニュアルの見直しや改善を行うなどルール化するのもひとつの手といえます。

また、台風発生時に適切な事業継続へと迅速につなげていくには情報収集が肝心です。インフォコムが提供する災害時の情報収集・管理システム「BCPortal」は、拠点の被害状況や周辺の状況を可視化し、経営陣の意思決定を強力にサポートします。災害時の事業継続力を高めたい企業のご担当者様はぜひ下記よりお問い合わせください。

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著者イメージ
この記事を書いた人
「安否確認Navi」編集部
阪神淡路大震災をきっかけに開発した緊急連絡/安否確認システム「エマージェンシーコール」の販売を通じ、お客様の危機管理に関する様々な課題をヒアリング。その豊富な知識とノウハウをコンサルティングやコラムに展開。
この記事の監修者
徳山 英治Tokuyama Eiji
危機管理コンサルタント
BCAO認定 事業継続主任管理士/防災士/企業危機管理士/個人情報保護士
大手医薬品卸売企業向けシステムをはじめ、約20年にわたりITプロジェクトのマネジメントを経験。東日本大震災を契機に「ICTを活用した新しい危機管理」の必要性を感じ、危機管理コンサルタントへ転身。企業のBCP策定から訓練の実施・社内研修・講演まで幅広く支援しており、これまで数百社の危機管理体制の構築に携わる。共著に『はじめての企業防災BCP入門』。

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