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首都直下型地震が起こったらどのように身を守る?
2013年12月20日、首都直下型地震が発生した場合のシミュレーションが発表されました。その際の想定では2万3000人の死者が発生するとのものでした。これはマグニチュード7クラスの想定です。1923年発生した関東大震災はマグニチュード8クラスの地震でした。7と8なんて1しか違いがないと思われるかもしれませんが、この1の差は実は非常に大きいことをご存知でしょうか?地震の規模を表すマグニチュードが1増えると、地震の威力、つまりパワーは約32倍に増えます。
地震が発するエネルギーの大きさをE(単位:ジュール)、マグニチュードをMとすると
log10 E = 4.8 + 1.5 M
という関係があります。マグニチュードが1大きいとエネルギーは約32倍大きい
()。
すると、想定死者数も単純に30倍すると、なんと69万人!首都圏に滞在するあなたもその69万分の1になるかもしれません。首都直下型地震が発生した場合、どのように対応すれば生き延びられるのかをご説明します。
地震による影響から身を守るには?
地震発生直後は、昔小学校の避難訓練などで行ったように、机など頑丈で固いものの下に身を隠すようにしてください。特に頭は必ず守るようにしましょう。大きな地震の場合、天井から電球、壁など様々なものが降ってくる可能性があります。外にいた場合はもっと危険です。ガラスが空から降り注ぐ可能性があります。外にいる場合はなるべく広い場所に移るようにしましょう。揺れが一段落したら、屋内にいる場合は屋外の広い場所へ移動しましょう。知っていれば一番近い避難所へいくようにしましょう。避難所は学校や公共の施設、公園が指定されていることが多いです。東京の街中は非常に危険です。空からガラスやコンクリートが降り注ぎます。ガラスを突き破ってオフィスの什器も降ってくるかもしれません。地震直後は空から降ってくるものから身を守り、安全な場所に移動するようにしましょう。
津波の影響から身を守るには?
首都直下型地震の場合、津波の影響は少ないかもしれませんが、30年以内に80%の発生確率のある東海地震では東京湾で津波が発生します。筑波大学名誉教授の谷川彰英氏は東京湾に10m級の津波が来ることをシュミレーションしています。その場合、埋め立て地は水没します。そして、都内の地下鉄も水没する駅が多数続発します。地下は危険が一杯です。しかし、安心してください。地震が発生してから津波に襲われるまでには数分から1時間以上のタイムラグがあります。地下にいる場合には駅員の誘導に従って安全に外に出るようにしましょう。都内は海抜が低い場所が多数存在します。自分がいまいる場所の海抜はどのくらいなのか、海抜が高い土地はどこなのか、事前に調べておくことでいざという時迷わずに安全な場所に移動することができるでしょう。
火災から身を守るには?
首都直下型地震で想定されている事象として大火災が挙げられます。都内では未だ古い木造建築が多数残っており、しかも密集している場所がほとんどです。古い木造建築は、地震で崩れやすいことは阪神大震災で立証されています。住宅が崩れ、家電製品や電気設備、もしくはガス周りから出火することは十分に考えられます。一軒から火の手が上がると、密集している住宅ではあっという間に火は燃え広がってしまいます。燃えるもののない学校の校庭などの広い場所に逃げ込めば良いのかというと、火災が大きくなりすぎた場合はそうでもありません。現在の研究では、首都直下型地震の後に火災旋風が起こると予想されています。この火災旋風は火が竜巻のように大きくうねりをあげて進んできます。それも新鮮な空気を求めて空気がまだ残っている広場へ進んでくると考えられています。このことから、避難所に到着してほっとしているよりも、火災が発生しているエリアからはできるだけ離れることが望ましいでしょう。
東京に安全な場所はないのか?
これまで、地震、津波、火災について説明してきましたが、イメージとして具体的な街並が頭に浮かんだことと思います。東京丸の内や銀座、日本橋、お台場などは地震の非常に被害の大きくなる想定の場所です。また、葛西や砂町、新木場などは津波による水没の恐れがあります。足立区などの住宅街では火災が発生することでしょう。そう考えていくと、都内には安全な場所はないように思うかもしれませんが、実は比較的安全な場所は残されています。まず地震に強いのは武蔵野台地、すなわち中野より西側です。ここは地盤が固いので、地震による影響は他のエリアと比べ、比較的少ないでしょう。津波から逃れる場合、都心でも六本木は標高が高く、10m級の津波でも水没しないとシミュレートされています。他、上野台地も津波から逃れられる高さです。このように、自分の普段の行動範囲の中から、どこに逃れれば良いのかを想定しておくことでいざというときの判断が早くなります。もし首都直下型地震が発生した場合、被害は相当大きくなるでしょうが、こうした事前の情報を元にシミュレートすることで何としても生き延びてもらいたいと願っています。
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