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2013
12/20

損しないBCP!!3つの約束

おとうさんの記事

今日の朝刊に「首都直下地震死者2万3000人」という記事がトップに載ってました。最悪想定なので、ここまではいかないかもしれませんが、備えあれば憂いなしと言います。BCPを作って備える必要がありそうです。東京商工会議所さんによると、大企業のBCP策定状況は昨年52.9%だったのが現在は75.9%になったそうです。また、中小企業は昨年35.6%だったのが60%に増えているという事です。3年前の2月時点では、大企業が30.9%で中小企業で8.6%だった事を考えるとずいぶんと策定がすすんできたようです。

しかし、BCPってどこまで作ったら策定済みと言えるのでしょうか?そもそも、どのようなBCPが正解なのでしょうか?そう考えるとこれと言った答えはありません。あえて言うならそれぞれの会社でつくられたBCPは全部正解なのだと思います。事業が継続出来るようにする為の方法ですから、会社によっても災害の規模によっても全然違って当たり前なのです。つまり、BCPとは成長する経営戦略そのものだと言う事が出来ます。
【もうかるBCP】と言うような、言う方をされる方がおられますが、言葉の意味を良く聞かないと、勘違いしてしまいます。地震や災害が起こって、平常時より、もうかると言う事を言ってるのではなく、【もうかるBCP】とは、計画で現状を復旧するだけではなく、災害で損をした分まで取り戻す為の手段を経営戦略的に考えておきましょうよって事を言われているのだと思います。私はあえて、もうかるというより【損しないBCP】を同義語として提案したいです。その為には何を考えておかなければならないのでしょう?

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1.BCPレベルを考えておく

災害は大きさによって、やるべき事が変わってきます。遠くの地震で少し電車が遅れている位から、地域が全滅するくらいの大きな地震まで、被害状況は全く違います。私の会社では、BCPレベル3、2、1と3段階のレベルを考えました。レベル3は激甚災害に見舞われた状態の場合、2は通信や電気のインフラに被害がない場合、レベル1は多少交通が遅れているような場合としています。また、これは、時系列的にも状況が変わります。レベル3では、全員が身の安全を守り、会社には出社できない。拠点の移転(代替地)、事業の選択など、経営判断となる。レベル2では、拠点や業務の復旧対策がメインとなる。レベル1では、社員の出社状況や、被災地近辺の顧客、支店などの情報をいち早く収集する。このように、それぞれのレベルに応じたやり方や訓練をしておく必要があります。レベルの低い災害の方が起こる確率も高く、数も多くあります。

2.受注と出荷を重視する

結局、仕事を回す為には受注し、品物を出荷しなければ、入金はありません。その為には、最悪の場合は作る部分を外作に頼ってでも出荷する事を考えなければ、仕事は回って行きません。事業のビジネスインパクト分析だけでなく、工程のビジネスインパクト分析も検討しておきましょう。それを考える事によって、自社の最も得意とする仕事の分野を見極める事が出来ます。平常業務での受注部門、出荷部門の仕事は止める事無く、非日常の部分は災害対策本部に任せて回るようにしておく必要があります。

3.ビジネスインパクト分析をしっかり行う

事業を止めるという判断も時には必要です。事業を再開する為に莫大な資金と時間がかかるようなものの場合、再開した時点まで顧客が待っていてくれるのかどうかを見極める必要があります。何とか再開にこぎつけても、それまでに他社に仕事を取られてしまっていると再開する意味がありません。しかも、莫大な資金がかかれば、それを取り戻す為にはもっと多くの労力がかかります。ですから、冒頭でお話ししましたように、経営判断が入ってくるし、経営戦略そのものなのです。

まとめ

BCPの策定は、単なる防災対策のレベルを超えた、経営戦略の策定になります。必ず経営者も交えて決めて行かなければ、単にヘルメットを揃えたり水や食料を用意するだけではBCPにはなりません。事業を継続する事が出来るのかという点に特化した考えを経営者とともに検討して行かなければ本当にBCPを進めた事にはならないのではないでしょうか。

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