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2013
12/16

釜石の奇跡から考える、災害から命を守る避難3原則

おかあさんの記事

災害から命を守る一番簡単で一番シンプルな対策は何かあったら避難するということです。東日本大震災でも、避難した人は助かったケースが多く、避難しなかった人は亡くなってしまった方が多いのも事実です。地震、津波に限らず、水害や土砂災害、火災や火山の噴火など、有事の際には次に何が起こるのかというイマジネーションを駆使して動くことが求められます。避難について釜石市では2005年より群馬大学の片田敏孝教授の指導の元、学校での津波防災教育に取り組んできました。その結果、東日本大震災では無事に避難することができ、釜石の奇跡と呼ばれています。ここには避難3原則という教えがありました。

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原則1:想定にとらわれるな

津波防災教育で子どもたちがまず教えられたのは「想定にとらわれるな」ということでした。つまりは「ハザードマップさえ信じない」ということになります。津波ハザードマップを配られた子どもたちは、「うちは浸水想定区域から外れているからセーフ」「君の家はアウトだ」と言いながら一喜一憂します。しかし、自宅が津波の浸水想定区域から外れていたからと言って大丈夫と考えることは大変危険です。なぜなら、ハザードマップに示されている通りに津波が来るとは限らないからです。実際、東日本大震災では想定外の大津波がやってきました。与えられた想定にとらわれることなく避難行動を起こしたからこと、彼らは助かったのです。

原則2:その状況下で最善を尽くせ

ここまでくればもう大丈夫と考えるのではなく、そのとき出来る最善の行動をとるということです。ここでは釜石東中学校の生徒たちがとった行動を紹介します。

2011年3月11日、激しい揺れがおさまった後、まず校庭で部活をしていた生徒たちが「津波がくるぞ!逃げろ!」と言って大声で叫びながら校舎に向かいました。他の生徒たちもそれに続きました。隣接する鵜住居小学校では子どもたちは校舎の3階に避難していました。しかし、日頃一緒に避難訓練をしていた中学生たちが一斉に避難する様子を見て、校舎から出て、中学生に続きました。そして無事に子どもたちは避難先に指定されていたグループホームに到着しました。しかし、津波の様子を見た子どもたちが、点呼を取っていた先生に「ここじゃだめだ」と進言をし、さらに高台にある介護福祉施設に避難をすることを進言しました。再度避難をする途中、近隣の保育園から園児を避難させるのを手伝い、また中学生のそのような様子をみた近隣の住民もそれにつられて避難を開始しました。無事に全員が介護福祉施設に辿り着いたわずか30秒後に津波は施設の目前まで迫りました。このときの津波は釜石東中学校と鵜住居小学校の屋上をはるか超えて、最初に避難したグループホームにも3メートルの高さを超える津波が押し寄せていました。

もしハザードマップの想定にとらわれて避難していたら、間違いなく生き延びることは出来なかったでしょう。想定にとらわれず、そのときの最善をつくしたからこそ、子どもたちは避難することが出来たのです。

原則3:率先避難者たれ

人はいざというときになかなか「逃げる」という決断ができません。ここまでは来ないだろう、自分のところは大丈夫だろうと自分に都合の良い解釈をして、その場に留まってしまうことがほとんどです。しかし、津波の場合、避難を躊躇していたら、あっというまに津波の犠牲になってしまいます。自分が「率先避難者」になることで、周囲もそれに同調して避難をするようになります。今回の釜石東中学校の事例でも、中学生が率先避難者として避難を開始したことで、周囲の住民も避難を行いました。率先避難者となった子どもたちは周りの大人たちも救ったのです。

まとめ

「避難」するということはとてもシンプルで簡単な対策ですが、とても勇気のいる決断です。けれども、その決断によって自分の命も周りの命も救うことがあります。自然災害は人間の力ではどうしようもありません。地震にせよ津波にせよ、ある程度の予測が出来るだけで、それに打ち克つような手段は今のところないのです。自然災害からは逃げるしかありません。「引っ越し」もその一つの手段です。海抜ゼロメートルで河川の近くであまりにも洪水の危険性が高いエリアであるとか、地盤が弱くて、液状化が起きやすいまたは地震に弱い土地であるとか、このような場合はその場所から思い切って離れてしまうことも解決に方法野一つにはなるでしょう。

 

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