11/29
阪神淡路大震災と東日本大震災から学ぶ3つの教訓
今日の真夜中に関東で地震がありました。真夜中だったこともあり、私は爆睡してましたので、気がつきませんでした。もしこれが大地震だと、気付かないうちに死んでいたかもしれないと思うとぞっとします。南海トラフ大地震や東海地震、首都直下型地震など、大災害が30年以内に高確率で発生すると予測されています。こうした災害に備えるためにはこれまでの地震災害を教訓として活かしていくのが一番の近道です。特に2011年に発生した東日本大震災と1995年に発生した阪神淡路大震災は、その有力な手がかりです。東日本大震災は海溝型地震で、南海トラフや東海地震とタイプは同じです。阪神淡路大震災は都市直下型地震で、首都直下型地震の良い教訓になるでしょう。
東日本大震災から学ぶ
1.緊急地震速報、津波速報は過小評価される
東日本大震災では2時46分の直前、NHKが国会中継のさなか緊急地震速報を発表しました。そのときはマグニチュード7.2の地震として警報されました。震度5以上の地域として、宮城、岩手、福島、秋田、山形と発表されました。しかし実際はマグニチュードは9.0、都内でも震度5強の強さで揺れました。
なぜこのようなことになったのでしょうか。地震警報の検知というのは最初に断層が割れた場所、すなわち震源地から発せられるマイクロ波を感知して後から来る地震の大きさなどを推測します。それが第一報として発表されるのです。東日本大震災では宮城県沖の震源が割れた後、南北に500km、岩手から茨城まで秒速2kmで割れ続けたのです。よって、地震の揺れは長くなり、地震の規模も最初マイクロ波を感知してから徐々に大きくなっていきました。
津波速報も同様です。津波の大きさは非常に複雑な計算が必要になっています。正確な値をはじき出そうとするとスーパーコンピューターでも1時間半以上時間が必要になってきます。地震後に1時間半もかかっていては遅いですよね。そのため、気象庁ではあらかじめ想定される地震を元に10万通りほど計算をしておきます。その計算を元に震源と規模が一番近いものを発表することになっています。ただし、事前の想定は、岩手県沖、宮城県沖、福島県沖など7つのブロックにわかれた状態でした。南北に500kmも走る巨大地震は想定していなかったのです。そのため、最初に出た津波の予想高さは、岩手県で3メートル、宮城県で6メートル、福島県で3メートルといったものでした。実際は10mを超える津波が各地に到達しています。
このように、最初に発表される速報は過小評価される傾向があることがわかっています。そのことを念頭において、避難の準備などを急ぐことが必要でしょう。
2.2種類以上の情報入手手段を持つ
NHKは全国放送なので、2時46分に全国に緊急地震速報を発表しました。しかし、一方で都内のキー局はどこも通常の放送を行っていたのです。これは、都内が大きく揺れるという情報が当初は入っていなかったためです。地震の後は津波が来ます。テレビをつけていれば情報を入手できていたのかというと実は被災地ではそうでもありません。大きな地震が起こった被災地では直後に停電が発生していた地域が多くありました。つまり、テレビは見ることができません。確かにテレビでは情報はオンタイムで流れていますが、電気がなければどうしようもありません。電気がなくても情報を得ることの出来る手段を持ち合わせていないと、津波の情報など必要な情報を得ることが出来ずに逃げ遅れてしまうことも考えられます。テレビだけに頼らず、携帯ラジオや、ワンセグ、インターネットが使えるスマートフォンなど複数の情報入手が出来るツールを持っていることが必須です。
阪神淡路大震災から学ぶ
3.古い木造住宅では死亡率は高まる
阪神淡路大震災での死因のほとんどが建物の倒壊によるものでした。内訳は窒息死、圧死、ショック死、打撲によるもので死因の83%占めます。木造建築による出火が原因で焼死・やけどによる死亡は12%、死亡原因の95%が古い木造建築の倒壊によるものであると考えられます。倒壊した木造建築はどのようなものだったのでしょうか。昭和56年(1981年)に新耐震基準という耐震基準が施行されています。阪神淡路大震災では昭和56年(1981年)以前の建物に関しての倒壊が目立ちました。一方、新耐震基準を守っていた昭和57年以降の建物については倒壊したものが10%を切るなど、効果を発揮しました。
家が倒れるから人が亡くなり、家が倒れるから火災が起きる。そしてその火災で人がまた亡くなるという結果がわかりました。つまり、家が倒れないようにすれば、亡くなる方を減らすことができるのではないかという仮説が成り立ちます。古い家屋にお住まいの方は耐震補強工事をすることによって倒壊のリスクを軽減することができるのです。耐震補強工事は建物にもよりますが、一般的には、おおよそ100万円程度と言われています。自治体によっては半額補助してもらえるところもあります。家族の命を守る出費としては安いものだと私は思うのですが、いかがでしょうか。
更新情報の確認にはFacebookページが便利です