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企業の水害対策!取り組み事例

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大雨や台風などの影響により、日本では毎年水害が発生しています。事業所や工場が浸水すると、重要な経営資源が失われるだけでなく、事業停止のリスクも高まります。最悪の事態に陥らないためにも、水害に備えた事前の対策が必要です。

ここでは企業が事前に取り組みたい、具体的な水害対策の事例を紹介します。BCPの策定方法や避難のポイントなど、水害への備えに役立つ情報をまとめました。

水害の種類と発生要因

気を付けるべき水害の種類とその発生要因を一覧にしました。いずれも、大雨や台風が多い時期に起こり、企業運営にもダメージを与えます。

洪水大雨や大量の雪解け水などの影響で、河川から水があふれ、氾濫が起きる現象
高潮台風などの強い低気圧が生じた際に、海面の水位が上昇する現象
土石流山や谷の土砂が集中豪雨や長雨などで崩れ、一気に下流へ流れる現象
土砂(がけ)崩れ大雨などの影響で地盤が緩み、斜面の土石が崩れ落ちる現象
浸水大雨や洪水などにより、建物や地下空間に水が入り込む現象
冠水洪水などの影響で、道路や農地、作物などが水に浸ってしまう現象
豪雨短時間に多量の雨が降る、災害級の大雨のこと

水害の発生頻度や時期は?

水害は、梅雨や秋雨の時期、または台風や大雨が起きやすい6~10月にかけて多く発生する傾向にあります。近年では気候変動などの影響により、台風や豪雨の激甚化が起きており、水害のリスクも高まっている状況です。実際に1時間の降⽔量が50mmを超える激しい雨の発生頻度が年々増え、土砂災害や浸水などが毎年のように起きています。

水害による被害額

2025年12月15日に、国土交通省が発表した2024年における暫定の水害被害額は、全国で約7,700億円です。過去10カ月で比較してみると、被害額の大きさは3番目の数値となっています。豪雨や洪水などで事業場が浸水して事業を中断せざる得なくなったり、建物や設備が被害を受けたりなど、企業への影響は甚大です。

ただし、台風や豪雨などは事前にある程度予測が可能なため、自社の被害を抑えるには事前の準備や体制の整備が鍵を握ります。

企業の水害対策でやるべきこと

まず、水害に備えて準備すべきことや、水害が起こった際に行うべきことを理解しておきましょう。

水害に備えた準備
  • 事業場の水害リスクの把握
  • 備蓄の準備
  • 浸水対策商品の準備
  • 非常用電源などの停電対策
  • 重要書類やデータを安全な場所へ保管
  • 避難経路の確保
  • 安否確認方法の確立
  • 生産設備などが被災した場合に備えて資金の確保
  • 事業場が被害に遭った場合に備えて代替拠点の準備
  • 資材の調達先である取引先が被災した場合に備えて代替調達先の確保
水害が起こった際の行動
  • 水害に関する正確な情報を入手する
  • 土のうや止水板などの浸水対策を実施
  • 浸水の危険のある設備や機器の電源遮断
  • 安全なルートで避難
  • 従業員の安否確認と安全確保
  • 建物や設備、取引先の被害状況の把握
  • 代替拠点の立ち上げ
  • 代替調達先への切り替え
  • 重要データの確認やバックアップのデータの取り出し
  • 建物や設備の排水・清掃・除菌
  • 業務の復旧対応

BCP策定のポイント

BCPは水害に限らず、あらゆる脅威から企業を守り、迅速に事業継続を行うための戦略をまとめたものです。以下で策定方法とプロセスを解説します。

方針の策定BCPの基本方針や実行体制を決めます。基本方針では事業継続においての自社の考えや責任を明確にしましょう。
リスクの把握や中核事業の選定洪水や地震、サイバー攻撃など、自社を脅かすインシデントを洗い出し、被害を想定します。周辺の災害リスクを調べられる「ハザードマップポータル」も役立つため参考にしてください。 上記の分析の結果、インシデント発生時の影響度が高く、自社でもっとも重要とすべき中核事業を定めます。
ボトルネックの抽出インシデントが発生した際に、中核事業の継続を妨げる可能性が高い経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を洗い出します。
戦略や対策の検討ボトルネックとなりえる経営資源に対して、戦略や対策を検討します。たとえば工場が被災した場合に備えて代替拠点を用意しておく、取引先の事業が停止した場合の代替調達先を準備しておくなどの対策が考えられます。 安否確認方法や避難ルートの確保、情報の収集方法なども定めておくことが重要です。
計画策定上記を踏まえ、緊急時の体制や対応手順を定め、事業継続計画を策定します。あわせて事前対策や教育・訓練、見直し・改善のスケジュールと実施体制も決めましょう。BCP策定後は定期的な見直しと改善が非常に重要です。

以下でBCPの策定方法をより詳細にまとめているので、こちらも参考にしてください。

企業の水害対策の事例

企業がしておくべき、具体的な水害対策の事例を紹介します。水害に特化した対策のポイントをまとめました。

浸水対策商品の準備する

止水板や土のうなど、浸水を防ぐための商品を取り入れましょう。避難する際、時間の猶予がある場合は、会社の経営資産を守るための浸水対策を実施することで、被害を最小限に抑えられます。

あわせて、これらのアイテムの設置基準やルールなども明確にしておくことが必要です。自治体の洪水ハザードマップや内水ハザードマップを参考に、運用方法を決めてください。

避難経路や手順を決める

水害に限った対策ではありませんが、自治体のハザードマップをもとに避難経路を決め、避難誘導方法もあらかじめ定めておくことが必要です。

水害発生時における避難の行動基準を明確にしておきましょう。水害のリスクが高まり、避難指示が発令されたら早めに避難することが重要です。万が一、逃げ遅れてしまった場合は建物の2階以上に垂直避難する必要があります。

持ち出し品や備蓄を準備する

避難時にもっていく非常持ち出し品や、避難生活時に役立つ備蓄を準備しておきましょう。

ライフライン施設が浸水した場合、水道や電気が使えなくなる可能性が高まります。そのため、食料品や飲料水のほか、簡易トイレや毛布、ラジオなどの準備が必要です。電気が止まった場合に備え、非常用電源などの備えも役立ちます。

データのバックアップや経営資源の保管方法を考える

万が一、事業場が浸水してしまった場合に備え、重要なデータのバックアップを取っておくことが必要です。また、納品物や備品などの事業継続に欠かせない経営資源が浸水しないよう、高い場所に置くなどの工夫を行いましょう。こういったルールを定め、社内に周知させることで、従業員の防災意識の向上にもつながります。

情報の収集方法を定める

いち早く状況を把握するため、情報の入手方法を定めておきましょう。水害の情報を得るには、キキクル(危険度分布)早期注意情報(警報級の可能性)のほか、大雨や洪水などの警報・注意報のチェックが必要です。

次の章で、警戒レベルにあわせてどのような情報をチェックすべきかをまとめているので、ぜひ参考にしてください。

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避難のタイミングと注意点

水害時の避難のタイミングを、気象庁の警戒レベルを参考にまとめました。

警戒レベル災害時の行動チェックすべき情報
レベル5
※キキクル(危険度分布)黒
命の危険があるため、すぐに避難が必要大雨特別警報
氾濫発生情報
レベル4
※キキクル(危険度分布)紫
危険な場所から離れ、安全な場所へ避難が必要土砂災害警戒情報
氾濫危険情報
高潮特別警報
高潮警報
レベル3
※キキクル(危険度分布)赤
災害リスクの高い高齢者や要介護者は、危険な場所からの避難が必要大雨警報(土砂災害)
洪水警報
氾濫警戒情報
高潮注意報
レベル2
※キキクル(危険度分布)黄
すぐの避難は必要ないが、避難先や避難経路など、避難に必要な情報の確認が必要キキクル(危険度分布)
氾濫注意情報
大雨注意報
洪水注意報
高潮注意報
レベル1水害の情報を集め、災害への心構えを一段と高めること早期注意情報(警報級の可能性)

参考:防災気象情報と警戒レベルとの対応について | 気象庁

避難する際は、土砂災害などに巻き込まれないよう注意して行動しましょう。避難指示が発令されたら、早めに行動することを心掛けてください。

水害の危険がある企業は早めに対策を

水害対策は、一朝一夕ではできないため、早めに準備を進めることが重要です。自社の水害リスクを把握したうえで、BCPの策定や個別の水害対策を進めていきましょう。

また、BCP策定後は、教育や訓練などを通して、自社の災害対応力を高めていくことが重要です。定期的にBCPの見直しや改善を行いながら、緊急時に機能する計画へと育て上げていきましょう。教育や訓練後の見直しも欠かさず行ってください。

水害の被害を最小限に抑えるには、情報をいち早くキャッチし、行動に移すことが重要です。インフォコムでは災害時の情報の収集や分析、共有をサポートするシステム「BCPortal」を提供しています。水害対策を強化したい企業の担当者の方は、ぜひお問い合わせください。

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著者イメージ
この記事を書いた人
「安否確認Navi」編集部
阪神淡路大震災をきっかけに開発した緊急連絡/安否確認システム「エマージェンシーコール」の販売を通じ、お客様の危機管理に関する様々な課題をヒアリング。その豊富な知識とノウハウをコンサルティングやコラムに展開。
この記事の監修者
徳山 英治Tokuyama Eiji
危機管理コンサルタント
BCAO認定 事業継続主任管理士/防災士/企業危機管理士/個人情報保護士
大手医薬品卸売企業向けシステムをはじめ、約20年にわたりITプロジェクトのマネジメントを経験。東日本大震災を契機に「ICTを活用した新しい危機管理」の必要性を感じ、危機管理コンサルタントへ転身。企業のBCP策定から訓練の実施・社内研修・講演まで幅広く支援しており、これまで数百社の危機管理体制の構築に携わる。共著に『はじめての企業防災BCP入門』。

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