11/25
津波災害から身を守るための3か条
大地震が発生した直後、次に意識しなくてはならないのは津波による災害です。頻度としては低いですが、一度発生すると大きな被害を起こす災害です。2004年12月のスマトラ島沖地震ではインド洋沿岸で死者23万人を超え、2011年3月の東日本大震災でも1万9000人以上の人的被害をもたらしました。海に囲まれている日本列島の沿岸では昔から津波被害に見舞われてきました。1896年の明治三陸地震津波や1983年日本海中部地震、1993年北海道南西沖地震がその一例です。津波から身を守るためにはどうしたら良いのでしょうか。
地震が起きたら避難を考える
海岸沿いで強い揺れを感じたら、まず避難を考えることが必要です。また、地震の揺れが小さくても、揺れが長くゆっくりと続く場合には津波地震の可能性があります。すぐに海岸から離れ、安全な場所に避難しましょう。海面の変化を確認してからでは遅すぎるのです。津波の早さは水深4000メートル(太平洋の深さの平均値)では時速約700キロメートルとジェット機並のスピードになります。この数値を見ると遅すぎる意味が理解できるでしょう。
地震が起こり、高台へ向かうのは鉄則ですが、千葉県九十九里のように平坦な平野が広がるような場所では、鉄筋コンクリート造りの出来るだけ高い建物に避難しましょう。前述したような平坦な場所については、千葉県や神奈川県などが建物の持ち主と協定を結ぶなどして避難場所の確保を急いでいます。
また、避難は徒歩が原則です。自動車による避難は渋滞などが発生し、逃げ後れてしまう可能性があります。
津波の防災を考える
津波が発生する前に、防災を考えましょう。もちろん、ここでは行政も交えたハード面の防災と、ソフト面の防災があります。
まずはハード面の防災ですが、防波堤、防潮堤の整備、水門などの施設があります。2011年3月の東日本大震災では想定外の高さの津波が襲来したことで、既存の防波堤や防潮堤などの設備では不足していたことがわかりました。新たに津波を防ぐ施設の整備が必要とされています。しかし、景観の問題などを抱え、住民も交えた話し合いが求められています。このような施設の建設には行政が中心に進めていく案件にはなりますが、実際にそこに住む住民の意見が非常に重要になってきます。
一方、ソフト面ですが情報提供、避難計画、防災啓発、防災教育などを日頃から行うことで、津波災害に備えることができます。こちらも住民が主催して行うなど自主的に実施していくことが必要になってきます。これまでは地震や火山噴火、水害のハザードマップは作成されてきましたが、津波のハザードマップの作成はまだまだ進んでおりません。ハザードマップの作成を進めることと、それに基づく避難訓練の実施は非常に重要です。東日本大震災でもこうした避難訓練など事前の対策が功を奏した例は多数報告されています。
津波情報の入手を考える
大地震が発生し、混乱の中で津波の情報をどのように入手しますか?車の中、電車の中、航行中の船舶など様々な状況下にいることが想定されます。どんなに迅速に発表されたとしても、知る術がなくては意味がありません。津波の情報は津波の規模、到達時間、避難経路や避難場所に至るまで様々あり、かつ正確な情報が必要です。さらにはリアルタイムの観測監視により更新することがあり、最新の情報を常に仕入れる必要があります。津波は第一波が到達した後、時間をおいて第二波、第三波がやってきます。第一波よりも第二波、第三波のほうが波が高いケースが多いこと、波の到達時間も、数十分から1時間を超えることもありまちまちです。避難場所に移動したとしても、その後の自己判断で自宅へ戻り、被災することもあります。避難解除が発表されるまで安全な場所で待機していることが肝心です。問題はその情報をどのように仕入れるかです。携帯電話は、安否確認のために利用が急激に増加し輻輳した状況がありました。ツイッター等のSNSの情報は発信源が個人のため玉石混合です。デマが飛び交う状況もあります。一方で、自治体が発信する災害放送や、地元のコミュニティFMが発信する情報は貴重です。
有事の際になったら、自分はどこから情報を入手するのかを検討しておく必要があるでしょう。先ほども述べたように、携帯電話は輻輳のため使えなくなる可能性があります。災害用のラジオを準備しておくのも津波防災の一つです。
更新情報の確認にはFacebookページが便利です