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安否確認とは、災害などがあったときに家族・従業員・高齢者など、あらゆる関係性の人々の無事を確認する作業です。しかし、社員数が多いと安否確認は大変であるため「緊急時に対応しきれないのではないか」と心配をする人もいるのではないでしょうか。
この記事では、安否確認の内容や混乱しないための3つのポイントについて解説していきます。社員の安全や今後の業務について素早く把握し、対応できるようになるでしょう。
安否確認とは
安否確認とは、主に災害時に家族・従業員・高齢者など、あらゆる関係性のある人々の状態を確認する作業を指します。
企業において、従業員の安否確認は重要な要素です。しかし、全員の安否を調べる場合、企業の規模が大きくなればなるほど難しいといえます。また、連絡を取るだけでなく社員の状況をリスト化する場合、全員の安否確認に時間がかかる恐れもあります。
さらに、安否を確認するだけでなく、事業を続けるために出社できるのかまで早めに把握しなくてはなりません。企業による安否確認は、その後企業を運営していくための要員確保までを視野に入れて行います。
企業が行う安否確認の内容
企業が行う安否確認の内容をみていきましょう。社員の状態を知るだけでなく、事業を続けていくために知らなければならない内容は少なくありません。
従業員の無事を確認
安否確認の最初のステップとして、従業員が無事なのかを確認しましょう。
全員の状態を知るために、連絡が滞りなく行えるよう緊急時の連絡先を知っておかなくてはなりません。スムーズに連絡が取れるよう、電話番号のみならずメールアドレスなどの連絡先も把握しておくと良いでしょう。
しかし複数の連絡先がある場合、どのツールでやり取りすれば良いか分からず混乱する恐れがあります。そのため、平常時から、緊急時のやり取りについてシミュレーションしておくことが大切です。いざという時に慌てないようマニュアルを作成し、常にチェックするようにしておきましょう。
家族の安全も把握する
社員のみならず、その家族を含めて安否確認を行う必要があります。理由としては、その後の事業を続けられるか否かを左右するためです。
本人に何事もなかったとしても、家族がケガをしていたり行方が分からなかったりする状況では、出社することは困難といえます。
出社できるか
本人およびその家族に問題がないことをチェックした上で、出社は可能か、事業を継続できるかまで確認しましょう。
ケガなどはしていなかったとしても、家が壊れて避難所にいたり電車が動いておらず通勤できなかったりすれば、出社して仕事をすることはできません。出社が可能であるかを尋ね、引き続き事業を行えるかを知る必要があります。
企業が安否確認を行うポイント
緊急時に連絡を取るだけでは、必要な情報が得られずに混乱を招くことが想定されます。ここでは、事前に決めておくとスムーズにやり取りできるポイントについてみていきましょう。
安否確認担当者を選定
安否確認担当者を選定しておきましょう。担当者を決めておくことで情報を一本化でき、社員からの連絡をまとめやすくなります。注意点として、担当者が被災して連絡が取れないケースも考えられます。そのため、担当者は複数人選定しておくと安心です。
連絡手段を決めておく
メールや電話などさまざまな手段で連絡を取っていると、情報をまとめられず正しく確認できません。主な連絡手段はひとつに決めておき、担当者や社員が混乱しないようリスト化しましょう。
報告内容を定めておく
安否確認時に報告してもらう内容を決めておくことも大切です。社員の状態だけでなく、家族の安否や出社は可能なのかをチェックしなければ情報として不十分だといえます。
必要な情報を得るために何度もやり取りしなくてはならない場合、緊急時の手間となります。事前に報告内容を決めておくと、最小限のやり取りで全体を把握しやすくなるでしょう。
安否確認方法を周知しておく
使い慣れていないツールで安否確認をする場合、やり方が分からず連絡できない社員もいることが想定されます。そのため、普段から安否確認に使用するツールを利用して連絡を取り合っていると、いざという時に慌てることはなくなります。
集計方法を決めておく
従業員の安否について、集計方法を決めておきましょう。集計する内容として以下の内容があります。
・連絡は取れたのか
・本人と家族の安否
・出社が可能か
項目が複数あるため、設定する際は必要な項目かどうかなどを検討しつつ、分かりやすくまとめる必要があります。集計することで、全体像を把握可能です。
安否確認システムを活用するメリットとは
企業が安否確認をする際に便利な「安否確認システム」があります。ここでは、安否確認システムを使う具体的なメリットについてふれていくので、導入時の参考にしましょう。
安否確認がスムーズになる
安否確認に特化したシステムを使用すれば、情報が錯綜するリスクを最小限に抑えられます。状況によっては電話が通じにくいケースもあるものの、インターネット経由で利用する安否確認システムであればつながりやすいといえます。
電話やメールの場合、担当者が被災して連絡できないというケースも想定されるでしょう。
担当者不在でも自動集計される
社員からの連絡をまとめる担当者が被災した場合、社員の情報をまとめられる人が不在となってしまい、社員の状況が集まったとしても全体像を把握しにくいといえます。
安否確認システムであれば社員からの連絡を自動集計してくれる機能があるため、担当者が不在であっても社員の状況が分かりやすくなります。掲示板を活用すれば多くの社員がオンラインで閲覧できるため、企業全体で状況が見通せるでしょう。
プライベートの連絡先を公開しなくて良い
非常時に連絡を取るためには、プライベートの連絡先を会社に伝えなくてはなりません。しかし、日常使いの連絡先公開に抵抗がある人もいます。
安否確認システムならば、知らせたくない連絡先を会社に公開せずに済みます。社員にとって負担が少ないといえるでしょう。
会社のネットワークが繋がらない場合のバックアップ連絡手段となる
自然災害やサイバーテロなどで会社のネットワークに異常が生じ、ネットワークが利用できない状態になった場合でも、インターネットに繋がれば社員への連絡が出来る安否確認システムを導入していれば、万一の際のバックアップの連絡手段として活用することが可能です。
平常時から情報共有に活用できる
安否確認システムは、災害などの緊急時にのみ利用できると思いがちであるものの、平常時から健康管理など情報共有に活用できる点にも注目できます。
たとえば、感染症拡大時の連絡にも利用できます。検温の結果を記したり体調に関する質問をしたりなどが可能です。在宅勤務が増えている企業であれば、業務連絡を一斉に送信したりアンケートを取ったりすることでそれぞれの様子を確認することもできます。状況に応じて普段から活用することで、災害時にも混乱せずに使いこなせるでしょう。
安否確認方法は平常時に周知しておくことが重要
企業が安否確認を行うことで社員の状態をチェックできるだけでなく、家族の安否や出社の可否まで把握できます。災害時であっても事業を続けるための要員を確保でき可能性が高まるでしょう。
しかし、慣れていないと緊急時に連絡がつかない人が出てしまう恐れもあります。そのため平常時から、安否確認のやり方について周知しておかなくてはなりません。
スムーズに安否確認するためには、安否確認システムの利用がおすすめです。非常時だけでなく、多くの場面で連絡ツールとして活用できます。平常時から使い慣れることで、いざという時に備えておきましょう。